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1.現地法人の設立方法

現地法人を設立する際、以下のような形態がある。

現地法人の設立方法

商品 条件 特徴
合弁企業 中国側パートナーと資本を出し合って設立する。外国側出資率は登録資本金の25%以上とされる。利益配分は出資比率に応じて行う。 これまで最も多い形式。経営方針をめぐるトラブルなどが原因で、見直される気運もあるが、中国側の経営資源の取り込みや外資進出が規制される業種での利用からして、今でも重要な事業形態の一つである。
合作企業 法人格を持つものと持たないものがある。出資比率、利益の配分など当事者の権利義務の諸条件を契約で決定することができる。 資本金の減少、投資の早期回収が認められ、しかも法律上の制約も比較的少ない。
独資企業 外資企業ともいい、外資が100%出資する形態の企業である。 本社による裁量で経営が自由であるが、中国側当事者の協力を必要とする事業には不適である。
投資規制は合弁企業と合作企業と比べ厳しい条件を課されるが、投資環境の改善とWTO加盟に伴い、設立数が急増している。
M
&
A
2002年3月7日公布の「外国投資者の国内企業の吸収合併(「併購」)に関する暫定規定」(4月12日より施行)はM&Aについて二通りの方法を定めている。一つは「股権併購」。これは外商投資企業以外の中国国内企業を対象に、その持分取得又は増資引受けにより、当該企業の企業形態を変更させる。二つ目は「資産併購」。これは外商投資企業を設立し、同企業を通じて国内企業の資産を取得・運営する、または国内企業の資産を購入し、同資産により外商投資企業を設立し資産運用を行う。 最近、M&Aは新しい投資形態として注目され、政府も産業構造の転換や国有企業の改革などの目的から、その奨励策をとっている。左規定によると、業種により企業形態などに対する制限はまだ存在しているが(「外商投資産業指導リスト」に基づく)、外国側出資率が25%を下回ってもよいとされるようになった。
2.業種と法人設立

業種による制限
中国で現地法人を設立する際、業種により制限されることがある。その根拠は「外国企業投資方向指導規定」と「外国企業投資産業指導目録」(2002年4月公布・施行)に記されている。
「目録」により、投資分野は奨励、許可、制限と禁止に分類され、外資の進出に対してそれぞれ許認可手続き、優遇措置、出資比率が定められている。

奨励類 田畑の改良
野菜、果物、茶葉の無公害栽培など
果樹、花卉などの新技術、新品種開発・生産
石油、ガス探査
交通、インフラ
電力、ガス供給
エレクトロニクス、電子、自動車など
制限類 醸造酒、高級蒸留酒、タバコ
紡績、医薬品、コンテナ、
鉄道輸送
通信会社
卸売、小売
金融、保険
映画館
高級ホテル
ゴルフ場
禁止類 緑茶の加工
漢方薬材の加工
電力網の建設と運営
郵政会社
先物取引会社
基礎教育機関
新聞社
ラジオ・テレビ番組制作
許可類 奨励、制限、禁止以外の分野
3.外資優遇措置

優遇措置は税制を中心に、外貨管理と貿易の面でもとられている。

優遇税制 企業所得税 1、税率の低減 適用対象 税率
1、経済特区の外商投資企業と外国企業 15%
2、国家経済技術開発区の生産型外商投資企業 15%
3、沿海経済開発区、経済特区の旧市街地・経済技術開発区の旧市街地にある生産性外商投資企業(奨励対象に限る) 15%
4、港湾・埠頭建設の合弁企業 15%
5、高新技術産業開発区又は北京市新技術産業開発試験区に設立され、高新技術企業と認定された外商投資企業 15%
6、上海浦東地区にある生産性外商投資企業、上海外高橋保税区にある外商投資企業 15%
7、国務院が設立を許可した保税区内で加工輸出を行う生産性外商投資企業 15%
8、国務院が定めるその他の地区に設立された国家奨励プロジェクトに従事する外商投資企業 15%
   
1、沿海経済開発区、経済特区の旧市街地・経済技術開発区の旧市街地にある生産性外商投資企業 24%
2、国家観光リゾート開発区にある外商投資企業のその地区における生産経営所得 24%
2、期間減免(注1) 適用対象 優遇期間
経営期間が10年以上の生産型企業 2年間免税3年間半減
交通、大型インフラプロジェクトなど 5年間免税5年間半減
経済特区の一部サービス業、金融業 1年間免税2年間半減
北京市新技術産業開発試験区に設立され、高新技術企業と認定された外商投資企業 3年間免税3年間半減
一部ハイテク企業と中西部の奨励企業 2年間免税6年間半減
輸出割合が70%以上の先進技術企業は3年間に限り半免延長 優遇期間終了後、最低税額10%を条件に半免が延長
3、再投資による 税額還付(注2) 適用条件 還付税率
企業利益を自社またはその他の外商投資企業に再投資を行い、その営業期間が5年以上の場合 40%
1、輸出型企業か先進技術企業に再投資した場合 100%
2、海南経済特区内の企業が区内のインフラプロジェクトか農業開発企業に再投資する場合  
4、税額控除 適用条件 控除率
1、技術開発費が前年度より10%以上増加した場合、課税所得から増加分の控除 50%
2、奨励類企業が国産設備購入により納税額が前年度を上回った場合、増加額から一部購入額控除 40%
増値税 適用条件 優遇措置
奨励類企業が総投資額の範囲内で国産設備を購入した場合 仕入れ税を還付
輸入税 適用条件 優遇措置
1、奨励類企業が総投資額の範囲内 左記条件で生産設備・原材料の関税・増値税免除
2、奨励類企業、研究開発センター、製品輸出企業、先進技術企業が自己資金で更新用生産設備・部品購入
3、約2000品目の指定ハイテク製品の生産用設備の輸入
その他 外貨管理 資本金または輸出額に応じ一定額の外貨留保が可能  
貿易 自社の生産・経営に必要な生産設備・原材料の輸入、製品の輸出が可能

(注1)「期間減免」とは利益獲得年度(最長過去五年間の税務繰越損失の控除後に利益発生の年度)以降、税額について減免される優遇制度
(注2)「再投資による税額還付」とは外商投資企業が獲得利益を中国国内に再投資した場合、再投資部分の利益に対応する既に納付した法人税額を還付する制度

4.設立認可手続きの流れ
設立認可手続きは以下の3段階を経ておこなわれる。
5.現地法人にかかる税金
関税 課税対象 輸出入貨物・物品。輸出物品は原則として課税されない。
税率 「税関輸出入税則」(関税率表)に準拠する。税則で種類や用途により税率が詳細に定められている。税則は毎年改訂される。
輸入関税税率は普通税率と優遇税率の二種類あり、日本からの輸入貨物には両国間に貿易互恵条約があるため、優遇税率が適用される。
関税の減免措置 1、輸出入関税条例に基づく減免措置。商業価値のない広告物やサンプルや輸送・荷卸の際、破損したもの、暫定的に輸出入するものなどが減免される。
2、外資奨励策としての減免措置。対象は次の通り。
 奨励類企業が投資総額内で輸入する自家用設備
 奨励類企業、研究開発センター、先進技術型企業、製品輸出型企業の更新設備
 ハイテク製品の生産設備
課税価格 輸入貨物の課税価格は、税関が決めた通常の成約価格を基礎としたCIF価格とする。
輸出貨物の課税価格は、FOB価格から輸出税を控除した価格とする。

増値税 課税対象と税率 課税対象 税率
1、物品の販売・輸入 17%
2、特定物品の販売・輸入(穀物、食用植物油、水道水、ガス、図書、農業用資材など) 13%
3、物品輸出 0%
4、加工、修理など役務の提供 7%
増値税の還付(注) 対象製品 還付率
1、機械・設備、電器・電子製品、輸送機器、計測機器・計器の4大機械・電器製品を除く機械・電器製品 15%
2、衣料品 17%
3、衣料品以外の紡績原料・製品 15%
4、農業機械 13%
5、時計、鋼材・鋼材製品、陶磁器、靴、セメント 15%
6、化学原料、塗料、顔料、ゴム製品、プラスチック製品、染料、玩具・体育用品、旅行用品 15%
7、農産品、農産品を除く現行還付率が13%未満の貨物 13%
納税・計算方法 インボイス方式。課税取引の際、発行した増値税専用領収書に基づき、売上額から仕入税額を控除する。 計算方法。増値税納税額=売上税額―仕入税額
(注)増値税の還付。増値税制度の悪用による過剰還付と税収不足が発生したため、
輸出増値税の還付率の引下げが行われた。その後、また引き上げられた。

営業税 課税対象 対象 税率
交通運輸業 3%
建設業 3%
金融保険業 8%
郵便・通信業 3%
文化体育業 3%
娯楽業 5〜20%
サービス業 5%
無形資産の譲渡 5%
不動産の販売 5%
営業税の減免 対象 還付率
1、金融保険業への軽減。 5%
2、技術移転等の対価に対する営業税で以下のもの
 1)技術譲渡
 2)技術開発業務とその関連技術コンサルティング
 3)技術サービス業務による収入
免除
3、外国企業が中国国内で取得した利息収入・賃貸料収入の営業税 免除
4、国外設計業務の一部 不課税
課税期間と申告期限 1、課税期間はそれぞれ5日間、10日間、15日間、1ヶ月間あり、普通1ヶ月にする企業が多い
2、申告期限。5日間、10日間、15日間を課税期間とする場合は、最終日から5日以内に税額を予め納付し、翌月の1〜10日までに申告納税をするとともに、前月の税額清算を行う。1ヶ月の場合は月末から10日以内とされる。

企業所得税 課税範囲 1、外国投資企業(合弁・合作・独資)の中国国内・国外の源泉所得
2、外国企業の中国国内の源泉所得
税率と優遇税制 対象 減免処置
1、企業所得税(国税) 30%
 地方所得税 3%
2、外国投資企業には税制上各種の優遇策がとられ、再投資の還付税制もある。(詳しくは「外資優遇措置」を参照)
計算・納税方法 1、計算方法。納税額=所得税(総収入ー原価ー費用)×税率
2、納税方法。年度ごとに計算し、四半期終了後15日以内に前納する。過不足は年度終了後5ヶ月以内に清算し調整を行う。年度所得税申告書と会計決算報告書は、年度終了後4ヶ月以内に管轄税務局に提出する。

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