コンテンツの内容は、2006年12月現在のものです

よくあるご質問

離婚に踏み切る前に考えましょう、離婚後の生活のこと

Q

わたしは現在専業主婦(夫)です。離婚をすると、生活はどう変わりますか。

A

あたや相手方の家庭内における役割によって離婚後の生活がどうなるか違ってきます。

あなたは専業主婦(夫)ということですから、第一に離婚後は相手方からの収入がなくなり、自分の食い扶持は自分で稼がなければなりません。また家事の相手分担分もご自分で担わなければならなくなります。さらに、子どもがいる場合には、どちらが現実に養うかにかかわらず、子どもの養育にかかる経済的な負担も今以上にのしかかってきます。加えて、場合によっては、新たに住むところを探さなければなりません。

このように離婚は、これまで夫婦二人で分担してきたことを、自分ひとりで維持していかなければならなくなるということなのです。このため離婚の決断をする際には、将来を見据え、計画的かつ慎重にことを進めなければなりません。

Q

離婚後は自分の食い扶持は自分で稼ぐとはいえ、相手方から慰謝料がもらえるので、そんなに心配していません。

A

慰謝料について誤解されています。

慰謝料とは、例えば婚姻生活を悪意で破綻させた夫婦の一方が、それによって精神的損害をこうむった他方に金銭をもって償うものです。従って、婚姻生活の破綻した原因が夫婦のどちらにもある場合や、これといった離婚原因がないのに両者が離婚に合意したような場合には、夫婦のどちらにも慰謝料を支払う義務はありません。また仮に夫婦の一方に婚姻破綻の原因があったとしても、慰謝料を支払う義務を負う者に財産や収入がなければ、慰謝料の支払自体現実的ではなくなります。このように慰謝料をあてにして、自分は働かないというのは得策とはいえません。離婚をした相手方には、原則としてあなたの生活を維持する義務はなくなりますので、あなた自身が自分の生活を支えなければならなくなることを肝に銘じてください。

最高裁判所の司法統計年報によると、離婚調停・審判時の平均慰謝料支払額は380万円(平成11年)です。芸能人、有名人などの離婚に際して取りざたされるような数千万円〜数億円という額は、通常は期待できません。

Q

子どもを引き取って離婚しても、養育費があれば心配ないのでは?

A

養育費は離婚後も両親がともに負担するのが原則です。

離婚時に夫婦間に未成年の子どもがいる場合、その子どもが成人するまで育て上げるのは両親の義務です。その義務の具体的現れとして、子どもの必要生活費を親が分担して子に支払うのが養育費です。したがって、相手方からの養育費はあくまで子どもの生活経費に充てられるものです。また子どもを引き取った側も依然として子どもの養育費を支払う義務を負います。
養育費は子ども1人の場合2〜4万円、2人の場合4〜6万円程度のようです。

Q

現在専業主婦ですが、離婚をすると、健康保険や公的年金はどのようになるのですか。

A

まず健康保険ですが、現在専業主婦である場合には、離婚をすると夫の加入している健康保険からはずれますので、自分で健康保険に加入しなければなりません。どの健康保険に加入するかは、あなたが働くか働かないか、また働く先によって異なります。働かない場合や働く場合でも自営業や職場の健康保険に加入しない場合には、国民健康保険に加入することになりますので、市町村役場の窓口に問い合わせてみてください。

また公的年金についても、専業主婦の場合であれば夫の加入する年金制度の被保険者(第3号被保険者といいます)として給付資格を得られるのですが、離婚をすると、自ら年金保険料を納めなければならなくなります。企業で働く場合には給与からの天引き、自営業の場合や無職の場合には市町村に自ら納める必要があります。
養育費は子ども1人の場合2〜4万円、2人の場合4〜6万円程度のようです。

Q

離婚をして家を出ようと思っていますが、仕事を探すには実家のある地方よりも東京のほうがいいので、東京に住みたいと思っています。住居費を安く上げる方法はありますか。

A

まず、住居費が支払えるだけの仕事を探すことが先決です。ただ、条件のよい職業はそう簡単には見つからないと思われますので、次善の策として、ある程度の収入を確保した上で、いかに住居費を安く上げるかを考えることも重要です。

そこで利用をお勧めするのが、自治体による母子(父子)家庭向け住居サービスです。自治体によってサービス内容は異なりますが、家賃補助や公営住宅への優先入居といったサービスが受けられます。詳しくは各自治体窓口に問い合わせてみてください。
養育費は子ども1人の場合2〜4万円、2人の場合4〜6万円程度のようです。

Q

現在共働きです。離婚をすると何か生活が変わるでしょうか。

A

共働きの場合でも、いままで相手方の収入と合算して家計を維持してきたのが、あなた一人の収入で家計をやりくりしなければならなくなるとか、新たな住まいで生活をすることになるなど、何らかの変化が起こるのは当然です。一方で、子どもについては、相手方とあなたが協働して子どものために養育費を支払うなど、離婚によって子どもにはなるべく経済的な影響を与えないようにすべきです。

どんな場合に離婚できるのか(離婚理由)

Q

離婚はどんな場合にできるのですか。

A

(離婚そのものは、夫婦双方が合意さえすればどんな場合でもできます。
しかし、一方が離婚を迫り、もう一方が離婚を拒否する場合にはそう簡単にことは運びません。その場合は、最終的には裁判で離婚を認めてもらうしか方法はありません。そのためには、法律で定められた離婚原因が必要です(民法770条)。具体的には、・不貞行為、・悪意の遺棄、・3年以上生死不明の場合、・回復の見込みのない強度の精神病にかかっている場合、・その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合、の5つです。

Q

不貞行為とは何ですか。

A

いわゆる浮気です。
結婚していながら、第三者と性的な関係を結ぶことです。これは継続的である必要はなく、たとえ一度でも肉体関係があれば不貞行為にあたります。裁判で勝つためには証拠が必要です。単なる思い込みや、噂に基づく浮気の主張では不足です。ホテルに入る写真や、不倫相手からの手紙など、確たる証拠があれば、裁判を有利に進められるでしょう。

Q

悪意の遺棄とは何ですか。

A

夫婦としての同居義務や扶助義務、協力義務を果たさないことをいいます。
「悪意」とは「故意に」という意味です。家出した夫がまったく生活費をいれなかったり、愛人と同棲して家に帰らなかったり、妻を精神的に虐待して追い出し、帰宅させない場合などがこれにあたります。

Q

夫が蒸発して現在の居場所がわかりません。夫とは離婚して新しい生活を始めたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

A

相手の生死がわからない状態が3年以上続いている場合は、離婚事由になります。
「生死不明」とは、電話や手紙を通じて生きていることはわかっていても所在がわからない「行方不明」とは異なります。ただし、相手がわざと所在不明としているような場合には悪意の遺棄、または婚姻を継続しがたい重大な事由にあたるとして、離婚が認められることがあります。なお、3年以上の生死不明で裁判所に離婚訴訟を起こす場合は、家庭裁判所による調停を経ずに、いきなり訴訟を起こすことができます。

Q

「婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合」とはどんな場合でしょうか

A

例で離婚原因とされた事項を見ると、著しい性格の不一致、暴行・侮辱、勤労意欲の欠如・浪費、性生活の異常、などがあります。
婚姻の本質は、「永続的な精神的および肉体的結合を目的として、真摯に共同生活を営むこと」にあります。したがって、夫婦の一方が他方の行動・性格や生活環境から婚姻を継続しがたいと考えた場合と、双方が婚姻の意思を失い、婚姻生活が回復不能なまでに破綻しているような場合は、離婚が認められることになります。

Q

妻とはよくささいなことで口論となるのですが、これはよくいう「性格の不一致」にあたり、離婚原因となるのでしょうか。

A

性格の不一致は、協議離婚では最も多い離婚理由ですが、裁判となると単に性格が合わないというだけでは離婚は認められません。ただし、性格の不一致により夫婦関係が完全に冷え切り、もはや婚姻生活を営むことが困難であるような場合には、離婚は認められるでしょう。逆に、夫婦双方の努力によって離婚が回避できると判断されれば、離婚は認められないことになります。

Q

結婚後初めて夫に殴られました。離婚できますか。

A

認められます。酒乱や、粗暴な性格からくる暴行や虐待がある場合などは、離婚が認められます。証拠として、診断書などをとっておきましょう。ただし、暴行が性格にもとづく場合や、度重なる場合は離婚理由となりますが、一過性の場合は離婚が認められる可能性は低いかもしれません(原因にもよります)。また、肉体的な暴力に限らず、精神的な虐待があった場合でも、離婚が認められることがあります。

Q

結婚後夫が仕事をやめ、定職にもつかずギャンブルにはまり込んでいます。生活に困っているので、はやく夫とは縁を切って新しい生活を始めたいのですが、離婚できますか。

A

原則できます。
夫がギャンブルに夢中になり、生活費を家に入れないということになると、民法の定める夫婦間の扶助義務に違反していることになります。「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当し、あえて生活費を入れてくれないのであれば「悪意の遺棄」に該当し、離婚は認められるでしょう。しかし、もっと夫婦で話し合い、協力して努力すれば、今までの夫婦生活関係を修復は可能であるとして、離婚を否定した判例もあります。

そして、その発生した損害を相手方に負担させることになるのですが、「公平の原則」の観点から、その損害(被害)を請求する側にも事故発生の原因となる不注意がある場合には、その責任部分は被害者本人に負担させるのです。損害の賠償は、基本的には金銭でおこなわれますので、その割合を具体的な数値で明示しようとする試みが、「過失割合」というものです。そして、具体的な損害額から責任割合を控除して支払う方法が、過失相殺ということになります。

Q

夫が現在刑務所で服役中です。離婚を考えていますが、可能でしょうか。

A

直ちには離婚は認められません。
服役してしまえば正常な婚姻生活は営めませんが、服役そのものは夫の意思ではありません。ですから、直ちに離婚が認められるということはないでしょう。ただし、犯罪を犯す前に生活費を入れなかったり、浮気や暴力で苦しんでいたなどの事情があった場合には、もはや婚姻を継続しがたいとして離婚が認められることになるでしょう。

Q

夫がマザコンで、妻である私の言うことそっちのけで、自分の母親のことしかいうことを聞きません。離婚できますか。

A

認められることがあります。
夫が母親側に立って妻を一方的に責める場合は、妻からの離婚請求が認められることがあります。過去の経緯はともかく、今後夫婦の努力によって婚姻生活は改善できるのかどうかが問題です。夫に改善の努力が期待できるか、妻は夫の態度によっては婚姻を継続していく意思があるのかどうかが、裁判所の重要な判断材料となります。

Q

長期間、夫婦間の性交渉がありません。離婚すべきなのでしょうか。

A

婚姻生活が破綻しているかどうかが判断の基準です。
夫婦間の性交渉が婚姻の本質的な要素であることは否定できません。ただし、性交の拒否が、そのまま離婚原因となるわけではありません。これによって夫婦の間にわだかまりができ、婚姻生活が破綻してしまった場合に、婚姻を継続しがたい事情として離婚が認められることもあります。

Q

妻が重い精神的障害をわずらっており、まともなコミュニケーションが取れなくなっています。これを理由に離婚できるのでしょうか。

A

裁判所はこの離婚原因を認めることに慎重です。基本的には医師の鑑定を基に裁判所が決めます。
法定離婚事由のひとつに「回復の見込みのない強度の精神病にかかっている場合」があります。まず、どの程度のレベルが強度の精神病といえるかが問題ですが、夫婦としての共同生活が果たせない程度のものということになるでしょう。痴呆症やうつ病なども、程度によってはこれにあたります。また、回復の見込みがないということも必要です。この様な医師の鑑定によって病状や症状を判断されることになります
・これまでの治療が長期間にわたり
・離婚を請求する配偶者が誠実に面倒をみてきており
・離婚後の看病者、療養費の負担者が具体的に決まっている
などの条件を満たさなければ裁判所も離婚は認められないでしょう。

Q

妻が宗教活動に没頭しており、子どもの養育など家庭生活上すべきことをほとんどしていません。何度忠告しても聞く耳を持たないので離婚を考えていますが、可能ですか。

A

認められることがあります。
信仰そのものが法定離婚原因と認められることはありませんが、宗教活動にのめりこむあまりに家庭を顧みなかったり、非常識な行動をとったりした場合には、離婚が認められることがあります。妻が夫との婚姻生活の継続を望んでいるのか、婚姻生活が回復する見込みはあるのか、という点が、裁判所の重要な判断材料となるでしょう。

Q

自分の浮気が原因で、妻が実家に戻ってしまいました。ただ子どものことがあるのか妻から離婚を言い出してきてはいません。しかし元の生活に戻ることも難しいので離婚をしたいのですが、できますか。

A

場合によっては、認められることがあります。
離婚原因をつくった側(有責配偶者)が裁判所に離婚を請求することは、あまりに身勝手であるとして長い間認められていませんでしたが、昭和62年に初めて最高裁が有責配偶者からの離婚請求を認めました。事実上結婚生活が破綻しているのに、婚姻生活を継続させるのは不自然であるとの考え方からです。しかしもちろん、安易には認められません。別居期間が相当の長期間に及んでいること、未成熟の子どもがいないこと、相手の離婚後の生活が保障されていること、などが条件となっています。ご相談のケースでは、子どもがいることから難しいかもしれません。

離婚の方法と手続

Q

離婚の方法は数種類あると聞いたのですが。

A

協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。
離婚をするための手続は、大きく分けて・協議離婚、・調停離婚(審判離婚)、・裁判離婚の3種類があります。離婚を考えた場合は、まず夫婦双方で話し合いをすることになります。話がまとまれば離婚は成立します。これを「協議離婚」といいます。全体の9割が協議離婚です。
では、夫婦の一方が離婚に反対した場合や、離婚そのものには応じているものの、金銭問題や親権者の問題など離婚条件で合意に達しない場合は、どうすればよいのでしょうか。
離婚の場合は、まず家庭裁判所で離婚の調停をします。家庭裁判所では、調停委員を交えて話し合いが行われ、ここで双方が合意すれば離婚が成立します。これを「調停離婚」といいます(こちらを参照)。離婚全体の1割が、調停によっています。
調停成立の見込みがないときでも、家庭裁判所の判断によって離婚の審判を行い、離婚を成立させることが、まれにあります。これを「審判離婚」といいます(こちらを参照)。
調停や審判でも離婚が成立しなければ、裁判所に離婚訴訟を起こして離婚の請求をすることになります。これを「裁判離婚」といいます(こちらを参照)。裁判で離婚するのは全体の1%程度です。

Q

離婚届を書く際に気をつけなければならないことはありますか。

A

不備な離婚届は受理されません。
離婚する場合には、必ず離婚届を出さねばなりません。離婚届は市区町村役場の戸籍係に置いてあり、夜間休日を問わずいつでも提出できます。郵送も可能です。離婚届に以下の点が未記入だと受理されないので、注意が必要です。

親権者

未成年者の子どもがいる場合、どちらが親権者になるかを決めなければなりません。離婚届には親権者を記載する欄があるので、親権者が決まらなければ離婚できません。

旧姓に戻る者の本籍

離婚によって旧姓に戻る場合は、親の戸籍に再び入るか、自分で新たに戸籍をつくるかを選択します。これに対して、離婚後も姓を変えない場合(婚姻中の姓をそのまま名乗る場合)は、この選択は空欄にして、離婚届と同時か遅くとも離婚後3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を役所に提出します。

署名押印

必ず自分で署名し、印を押さなければなりません。判は認印でかまいません。

証人二人の署名押印

協議離婚の場合にのみ必要になります。証人は、成人であれば誰でもよく、親族でもかまいません。

Q

離婚にあたって、決めなければならないことは何ですか。

A

子どもの問題とお金の問題です。
自分の戸籍と姓(こちらを参照)のほか、次項で詳しく説明しますが、子どもの戸籍と姓(こちらを参照)、親権者(こちらを参照)、養育費(こちらを参照)、面接交渉権(こちらを参照)、財産分与(こちらを参照)、慰謝料(こちらを参照)など、夫婦間で話し合って決めなければならないことはたくさんあります。これらをきちんと決めることなしに離婚してしまっては、後々のトラブルのもとになります。離婚届を提出する前に、よく話し合って決めておきましょう。

Q

取り決めた内容は、やはり文書に残しておいたほうがいいのですか。

A

もちろんです。公正証書にしておくことをおすすめします。
離婚時の取り決め、特に財産分与や慰謝料、養育費などの金銭問題に関する事項は、口約束では後々のトラブルのもとになります。しっかりと文書で残しておくべきです。
協議離婚の場合、公正証書を作成するのがもっとも望ましい方法でしょう。

Q

協議離婚の成立は、いつになるのですか。

A

離婚届の受理によって成立します。
話し合いの結果、夫婦双方の合意が得られたら、離婚届に必要事項を記入し、役所に提出します。持参でも郵送でもかまいません。離婚する本人が出向かなくても受理されます。離婚届を提出するのは、夫婦の本籍地か、離婚届を出す時点での夫婦いずれかの所在地の市区町村役場の戸籍係です。届には夫婦の戸籍謄本の添付が必要となるので、事前に取り寄せておきましょう。
離婚届を役所に提出しただけでは、離婚は成立しません。役所が離婚届を戸籍法に照らして審査し、届出が法にのっとっていると判断されてはじめて受理され、離婚が成立します。もっとも、役所は形式が整っているか確認するだけで、たとえば、離婚届が当事者の真意に基づくものかどうかなどといったことまで調べることはありません。また、受理によって離婚が成立するとはいっても、離婚届の効力が発生した日として実際に戸籍に記載されるのは、受理された日ではなく、届出があった日です。

Q

離婚届を、相手が勝手に提出してしまうかもしれません。どうすればよいでしょうか。

A

「不受理申出書」を提出しておきましょう。
離婚届は署名押印されていて、記入漏れなどがなければそのまま受理されます。そのため、相手が勝手に離婚届を偽造して、知らないうちに離婚届を出してしまうこともできます。そのような場合には自分の本籍地の市区町村役場に「不受理申出書」を提出しておけば、離婚届が受理されることはありません。
不受理申出書の有効期間は、「不受理申出書を出してから6か月間あるいは6か月以下で希望する時期まで」です。期間経過後も、必要なら何度でも提出できます。つまり、事実上無期限です。いったん不受理届申出書を出した後で、離婚の合意が成立して離婚届を提出したい場合には、「取下書」を役所に提出します。不受理申出書も取下書も役所の戸籍係に常備され、提出の際の手数料はかかりません。

Q

勝手に離婚届が提出されてしまいました。どうすればよいのでしょうか。

A

本人の意思に反して出された離婚届は、たとえ役所に受理されたとしても無効です。
戸籍に記載される前に、勝手に出された旨を申し出れば、役所が職権で離婚届を差し戻す場合もあります。
戸籍に記載されてしまった場合には、形式上は有効に離婚が成立していますが、以下のような手続でこれを無効にすることができます。まず、家庭裁判所に「離婚無効の確認」を求める調停を申し立てます。さらに、夫(妻)が偽造の離婚届を出した上で、ほかの女(男)性との婚姻届も提出している場合には、同時に「婚姻取消」を求める調停を申し立てます。調停が不成立に終わった場合には、裁判所に離婚無効の訴訟を起こすことになります。裁判で無効判決がでたら、判決謄本を役所に提出し、戸籍の訂正を申請します。

Q

相手がどうしても離婚に応じてくれません。どうすれば離婚できますか。

A

調停離婚か裁判離婚をするしかありません。
合意さえできればどんな条件でも離婚できる反面、合意が成立しない限り離婚はできません。どうしても離婚したいのなら、家庭裁判所に調停を申し立てる「調停離婚」、さらには裁判で離婚を争う「裁判離婚」の方法をとらざるをえません。

Q

調停離婚とは何ですか。

A

家庭裁判所の調停による離婚です。
離婚そのものについて、あるいは金銭問題や親権の問題等の離婚の条件について、夫婦双方が合意に達しない場合は、家庭裁判所に調停の申立てをすることになります。調停とは、簡単にいえば「裁判所を通した話し合い」です。家庭裁判所には経験豊富な調停委員がいて、彼らを通じて相手方と話し合うことになります。

Q

調停を申し立てれば、必ず離婚問題は解決できるのですか。

A

不成立になることもあります。
調停は、あくまでも話し合いの場です。夫婦双方の歩み寄りが前提となっているので、家庭裁判所は離婚を強制することができません。調停が不成立となった場合には離婚できず、裁判で離婚を争うことになります。なお、離婚のように家庭裁判所に調停の申立てができる事案については、家庭裁判所に訴訟を起こす前に、まず調停を経なければならないことになっています。これを「調停前置主義」といいます。

Q

離婚の調停を申し立てるためにはどうすればよいのですか。

A

「夫婦関係調整申立書」を家庭裁判所に提出します。
申立書は全国の家庭裁判所に置いてあり、無料でもらうことができます。申立ての際には、夫婦の戸籍謄本も提出する必要があります。申立書の「申立ての趣旨」の欄は、「円満調整」と「夫婦関係解消」に分かれています。離婚を希望するなら後者の番号を○で囲み、その他、親権、養育費、財産分与、慰謝料について必要があれば記載します。「申立ての実情」の欄には、離婚を決意するに至った経緯を簡潔にまとめます。「申立ての動機」の欄には、性格が合わない・異性関係・暴力をふるう等の項目があり、あてはまる番号を○で囲みます。もっとも重要なものは◎で囲みます。

Q

調停を申し立てるための費用はどれくらいかかるのですか。

A

申立ての費用は各地方の家庭裁判所によって異なりますが、収入印紙1,200円と切手代800円の、計2,000円程度です。

Q

調停はどのように進行していくのですか。

A

申立書が受理されると、申立人と相手方のもとに、調停期日の指定と呼び出し状が郵送されます。第1回の調停期日は、当事者の都合を考慮せずに、裁判所が決めます。

Q

調停が終了するまでには、どのくらいの期間がかかるのですか。

A

ほぼ3〜6か月以内で終了しています。
平成10年の司法統計によると、婚姻関係の調停の成立件数は全部で約25,000件で、そのうちもっとも多いのは実施期日が2回(5,876件)、二番目が3回(5,379件)三番目が1回(4,178件)となっており、全体の62%が3回以内で終了しています。
期間は3か月以内、6か月以内がともに約36%です。話し合いがつかなければ、各回ごとに20〜30日の期間をおいて、結論が出るまで調停を繰り返します。その間、申立人から調停を取り下げることはいつでもできます。相手方の同意の必要はありません。調停は、あくまで当事者の合意の手助けをする制度ですので、夫婦間で話し合っても合意に達せず、いつまでも調停を長引かせても無意味であると判断した場合には、「調停不成立」という形で終了することになり、裁判所からその旨が両当事者に通知されます。

Q

調停には必ず出席しなければなりませんか。

A

本人の出頭が原則です。
夫婦間の問題を解決するための話し合いですから、当事者本人から直接話を聞かなければなりません。そのため離婚調停の場合は、本人が出頭することが原則です。本人が出頭できる場合でも、弁護士を代理人とすることは一応可能です。ただし、調停離婚が成立する段階では代理は許されず、本人が出頭しなければなりません。出頭できない場合は、話自体はまとめておき、本人が出頭できたときに改めて調停期日を聞き、当事者出頭のもとにあらかじめ取りまとめておいた合意内容を双方で確認したうえ、調停を成立させることになります。

Q

相手方が調停に出席しないといっているのですが。

A

出頭勧告に応じない場合、制裁金制度がありますが、強制はできません。
家庭裁判所の調査官が事情を調べ、正当な理由がなければ、相手方に出頭を勧告します。それでも出頭しないときには5万円以下の制裁があります。それでもなお出頭を拒めばそれ以上の強制はできず、調停は不成立となります。
また、相手方が最初は出頭しても途中から来なくなるような場合には、家庭裁判所の調査官が相手に手紙や電話で出頭しない理由を聞き、調停の仕組みについて誤解を解き、説得します。
相手方が何ら理由もないのに引き延ばしを図ってくると、特に妻の側は生活費に窮することもあるでしょう。この場合(調停前の仮処分として)、相手に生活費の支払を求めることができます。それでも出頭を拒んだ場合はやはり調停は不成立となり、裁判で離婚を求めることになります。

Q

調停が成立したらどうなるのですか。

A

調停の結果、双方が合意に達した段階で調停成立となり、書記官が調停調書を作成します。調停調書には、親権やお金に関する取り決めについても記載されます。裁判官が調停条項を当事者の前で読み上げるので、内容を確認のうえ、誤りがあれば訂正します。調停調書は、確定した判決と同じ効力をもっているので、作成後に不服を申し立てたり、取り下げることはできません。

Q

調停が成立した後に、離婚届を出す必要があるのですか。

A

調停成立後10日以内に提出する必要があります。
調停調書に離婚の記載がされた段階で離婚は成立しますが、戸籍の変更届と離婚届の提出が必要となります。これらの届出は、調停の申立人が、調停成立10日以内に、夫婦の本籍地か届出人の所在地の市区町村役場に提出します。協議離婚と同じ離婚届を提出しますが、夫婦及び証人の署名押印は必要ありません。届出期限を過ぎても離婚が無効になることはありませんが、戸籍法違反として、3万円の過料に処せられます。なお、届出の際には戸籍謄本と調停調書の謄本が必要になります。この調停調書の謄本は、調停終了時に「書類の交付申請」を出して裁判所からもらいます。

Q

審判離婚とは何ですか。

A

裁判所の職権で成立させる離婚です。
調停離婚は、あくまでも当事者間の合意の手助けをするものであり、双方が合意に達しなければ離婚は成立しません。しかし、調停を進めた結果、調停成立の見込みがない場合でも、離婚したほうが夫婦にとって望ましいと家庭裁判所が判断して、職権で離婚を成立させることがまれにあります。これを審判離婚といい、年間で百件程度あります。

Q

審判離婚の進み方について教えてください。

A

家庭裁判所は、審判によって離婚のほかに親権者の決定、財産分与、養育費、婚姻費用、慰謝料の支払なども命じることができます。調停の際に事実関係を調査し、証拠なども調べた上で、夫婦双方に公平な結果になるように、調停に代わる審判を下します。
審判離婚は、審判告知の日から2週間以内に一方が異議を申し立てると、審判の効力が失われてしまいます。一方、2週間たっても異議の申立てがないときには審判が確定し、いったん確定したら不服の申立てはできなくなります。

Q

離婚裁判はどのような場合に起こせるのですか。

A

調停を経なければ、裁判離婚はできません。
離婚を請求する場合、いきなり裁判を起こすことはできません。まずは調停を経ることになります(調停前置主義)。それを無視して訴訟を起こしても、調停に回されます。ただし、相手が生死不明の場合や行方不明の場合、また痴呆状態のような場合には、調停を行わなくても裁判を起こせます。

Q

離婚裁判はどこに申し立てればよいのですか。

A

夫または妻の住所地の家庭裁判所になります。平成16年4月1日から人事訴訟法(離婚や認知など、夫婦や親子等の関係についての争いを解決する訴訟の事)が新しくなり、離婚訴訟は地方裁判所でなく、原則として当事者(離婚であれば夫又は妻)の住所地を受け持つ家庭裁判所で取り扱う事になりました。ただし、その家庭裁判所と人事訴訟を起こす前に家事調停を取り扱った家庭裁判所とが違う場合は、家事調停を取り扱った家庭裁判所で人事訴訟を取り扱うこともあります。
人事訴訟は、民事訴訟の一種ですので、基本的には民事訴訟の審理手続と同じ手続で行われますが、家庭裁判所における人事訴訟においては、参与員が審理や和解の試みに立ち会い、意見を述べたり、子どもの親権者の指定などについて、家庭裁判所調査官が、子どもに面接して調査したりすることがあります。
なお、現在地方裁判所で人事訴訟が係属している場合は、引き続き地方裁判所で審理、裁判されます。なお、参与員や家庭裁判所調査官の関与は、地方裁判所で係属している事件には適用されません。

Q

離婚裁判に必要な書類は何ですか。

A

訴状のほかに、調停を経たことを証明するために調停不成立証明書が必要となります。調停不成立証明書は家庭裁判所が交付してくれます。また、夫婦の戸籍謄本も必要です。

Q

離婚裁判には、どのくらい費用がかかるのですか。

A

まず、訴状に貼る収入印紙代がかかります。収入印紙代は相手にいくら請求するかによって異なり、請求金額が高ければ印紙代も高くなります。たとえば、 500万円の慰謝料を請求する場合、30,000円の収入印紙が必要です。特に相手に金銭の支払を求めない場合(離婚のみの請求)には、13,000円の収入印紙ですみます。離婚のほか、財産分与も請求する場合は別途900円の収入印紙、さらに養育費も請求する場合も900円の収入印紙が必要となります。

他にも、切手代がかかります。これは訴状など裁判関係の書類を裁判所から相手方に郵送するのにかかるためで、額は1万円以下です。その他、証人を呼んだ場合は日当や旅費を払います。
以上の出費については、裁判で勝てば相手に請求することができます。これに対して、弁護士に依頼した場合の弁護士費用は、裁判に勝った場合でも相手に請求することはできません。

Q

離婚裁判にはどのくらい時間がかかりますか。

A

最低1年はかかると考えておいたほうがいいでしょう。
裁判が長期化するのはなるべくさけたいものです。裁判が長引くのは、1回の期日にまとめて審理するのではなく、まず原告が主張し、次に被告が反論し、それに対して再反論する、ということを1回1回やっていくためです。しかも、期日と期日の間には最低1か月程度は間隔が空きます。裁判所は膨大な事件を抱えており、日程がぎっしり詰まっていて、どうにもならないのが現状です。それでも最近は1年くらいで終わることも多いようです。ただし、第一審で勝訴しても高等裁判所・最高裁判所まで争われることもあります。

Q

裁判で離婚が成立した後も、離婚届を出す必要があるのですか。

A

判決確定後10日以内に提出する必要があります。
離婚を認める判決が確定した時点で、離婚は成立します。その後は、離婚を請求した側が、裁判所から交付された判決謄本と判決確定証明書を添えて、10日以内に市区町村役場に離婚届を提出しなければなりません。

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