弁護士による債務整理はこう進む

どのような手続きになるか

Q

借金返済のため家計が苦しく困っています。負担を軽減する方法はありませんか。

A

借金の整理を行う手段としては、主に『任意整理』、『破産・免責申立』、『個人再生手続き』(民事再生法)の各手続きがあります。安定した収入があり、借入件数が少ない場合で、なるべく裁判による手続きを行いたくない方であれば任意整理という方法がとれますが、安定した収入があっても、それだけでは債務全額を返済できない方には、借金の一部を大幅に免除してもらう民事再生手続きが有効です。収入が不安定な方、債務の額が大きすぎる方の場合、破産申立を検討せざる得なくなる可能性が高いと言えます。

Q

会社に勤めています。借金が膨らみ毎月の返済が苦しいのですが、ある程度の金額なら給料の中から返済をすることが可能です。なんとか破産せずにすむ方法はありますか。

A

サラリーマンの場合、安定した収入が見込めるため、再生手続きをさらに簡略化した「給与所得者等再生手続き」が利用可能です。この手続きでは通常の小規模個人再生手続きよりも返済総額が高くなる場合がありますが、その分債権者の同意を得る手続きが省かれています。→個人再生手続きについてへ

Q

会社に勤めていますが、不況下でボーナスが減り、毎月の給料も思っていたほど伸びません。給料の増加を見込んで組んだ住宅ローンの返済が苦しくなってきましたが、なんとかなりませんか。

A

破産手続きを利用する場合には住宅を手放さざるを得なくなりますが、個人再生手続きの「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用すれば、住宅を手放すことなく、ローン返済負担を軽減することができます。→こちらを参照

Q

借金整理の件で弁護士に相談したいが、何を用意すれば良いですか。

A

借金整理については、破産法や民事再生法など専門性の高い法的知識と経験が要求されます。このため、こうした処理に熟達した弁護士に相談するべきでしょう。
弁護士へのアクセス・・・自治体や弁護士会などの無料法律相談、クレジット・サラ金問題相談窓口など

用意するもの・・・現在の借金残高と給与・家計費を知る必要がありますので、

  • 借入先の一覧表
  • 借金残高や借入期間などがわかる資料(契約書や利用明細書など)
  • 過去3か月分程度の給与明細書
  • 家計簿(簡単なものでも)など

こうした書類、資料を持参すると、より的確な話が出来、また、処理も早く進みます。

Q

借金整理を弁護士にお願いしたいが、どのくらいの費用がかかりますか。

A

以下の表を参考にしてください。

ホームロイヤーズは債務整理にかかる弁護士費用を低額に抑えています。

※いずれの場合も、裁判所への申立費用:2万5000〜3万円は別途必要になります。

 

一般の弁護士事務所(例)

ホームロイヤーズ

相談料

30分5000円程度

無料(債務相談)

着手金

任意整理の場合:業者数×2万円破産免責の場合:20〜30万円

着手金不要

報酬金

  • 任意整理の場合:合意整理を条件に着手金と同額や、減額成功報酬など。
  • 破産手続き(同時廃止):着手金と同額
  • 少額管財(財産のある場合):着手金以上
    ※別途裁判所への申立費用20万円
  • 任意整理:一社につき4万2000円+減額成功報酬5.25%
  • 破産手続き(同時廃止)19万円
  • 少額管財(財産のある場合)29万円※別途裁判所への申立費用20万1000円

※支払いは生活状況に応じて分割支払い可

Q

弁護士に依頼したいがお金がない。

A

ホームロイヤーズの場合弁護士費用の分割支払いが可能です。ご相談ください。

Q

自分で破産手続きを進める場合のメリット、デメリットを教えてください。

A

メリットとして、もっとも大きいと思われるのが、弁護士費用が不要であり、借金の整理にかかる費用を節約することができることです。特にめぼしい財産の無い場合の破産手続き(同時廃止)を弁護士に依頼する場合、一般に、着手金として20〜30万円、免責許可の決定を裁判所からもらった場合には、さらに報酬金として20〜30万程度の弁護費用がかかります。法律事務所ホームロイヤーズでは、同時廃止の場合、一律19万円の弁護費用で処理を行っています。

デメリットですが、

  • 煩雑な破産手続きを自分でこなさなければいけないこと、
  • 債権者からの取立てを破産申立の時まで止めることができないこと(弁護士が依頼を受けて介入通知を債権者に送達すればその時点から債務者への直接取立てはできなくなります)、
  • 裁判所の審尋に一人で応対しなければならない、などです。

これらをふまえた上で、ご自身で判断をしてください。

任意整理

  • 任意整理(和解)について

Q

任意整理とはどのような手続きでしょうか。

A

任意整理とは、債務者から依頼を受けた代理人(弁護士)が、個別に、債権者との間で、債務の額の確定や支払方法の変更などを交渉し、その結果、得られた合意に基づいて返済を行うことで債務者の生活の再生を図る手続きです。破産や民事再生等の法的整理と違い、裁判所の関与がないため、任意整理と呼ばれます。

Q

どのような債務者に向いていますか。

A

以下のような人向けです。

  • 債務の額が比較的少額で、債権者数も少なく、収入も安定しており、毎月の返済負担が重くなりすぎない人
  • 借入期間が長く、利息制限法の引き直し計算により、債務が大幅に減額される見込みのある人
  • 一部の債権者に対する債務だけを整理の対象にしたいなど、柔軟な解決が必要な人
  • ギャンブル・浪費による借金があったり、借り入れ時期や方法が詐欺的など、破産法所定の免責不許可事由があったり、収入の安定性が見込めないなど、民事再生手続きでは、認可を得ることが困難な人
  • 親や親戚からの資金支援が期待できる人
  • 自身の所有財産の価値が、換価出来ないものも含め、高額になり、民事再生手続きを採る場合、返済額が高騰する人

これに対して、最近になって借入が増えた人や収入が安定していない人などは、任意整理による借金整理が難しいことが多いでしょう。

Q

スポーツ紙などに広告のある「低利融資で借金を整理・一本化します」などとうたった業者とは違うのですか。

A

まったく違います。このような宣伝広告を行う業者の多くは、いわゆる『整理屋・紹介屋』といった悪質貸金業者である可能性が高く、注意が必要です。こうした悪質業者は以下のような特徴があります。

  • 融資話のなかで、無断で親兄弟の不動産を担保に入れることを強要したり、名前を詐称させたりと、詐欺的な話をする。
  • 申し込みをした業者での融資は難しいなどとして、他の業者を紹介しながら、紹介したことを相手業者に絶対いわないように念を押す。
  • 業者の名前が「○○救済センター」、「××被害同盟」といったような公的機関や消費者団体を連想させるようなものである。
  • 貸金業の登録番号が店内に表示されていない。

Q

任意整理はどのような手順で行われますか。

A

任意整理は通常、以下のような手順で行います。

  • 債務調査・・・業者からの借入金額、金利、借入年月日、既返済額・返済年月日などを個別に記録します。
  • 調査結果に基づき金利引き直し計算・・・必要な場合には、利息制限法の規定に従って利息の引き直し計算を、借金の額を確定します。
  • 整理案の作成・・・確定した借金額について、どのような収入(給料の一部、親類からの資金支援など)で、何年で返済するか、返済額はいくらにするか、などの点を業者との交渉で決めていきます。
  • 業者の承諾→示談書(和解契約)の作成
  • 和解契約に従って返済を行います。

Q

債務整理の結果合意された内容を変更したいのですが。

A

債務者側からの一方的な合意の破棄はできません。債権者に、合意内容変更などについての再交渉の申し出を行ったり、必要性がある場合には、法的手続きをとることを検討することになります。

Q

費用をかけたくないので、弁護士による代理を立てず、自分で整理を行いたいのですが。

A

任意整理は、借金をした本人がやっても、必ずしも業者が応じるとは限りません。逆に、早期の返済を強要されたりする場合もあります。任意整理の場合、裁判手続きではないため、客観的立場にたって第三者の関与がないため、交渉が不利になったり、金利も、利息制限法以上となる場合もあって、必ずしも返済が楽になるとは限りません。これらの点からして、弁護士が介入し、あなたの代理人として、交渉にあたるのが、有利であることが多いでしょう。

  • 任意整理(和解)について

特定調停

Q

特定調停とは何ですか。任意整理とどこが違うのですか。

A

特定調停とは、裁判所で、調停委員が主導して行う手続きで、各債権者と債務者とが、今後の返済条件などについて話し合いを行い、合意をしていきます。3年程度(最長で5年)を目処に全ての債務を返済できるような計画を立てていきます。

特定調停は、裁判手続きであり、話し合いに当たっては、利息制限法に従って、引き直し(再計算)をする為、債務の減額は勿論、債務自体が存在しない、という内容の合意を得ることも可能です。

ただし、調停委員は、通常、弁護士がなりますので、実際は任意整理とあまり変わらないことや、利息制限法に基づく引き直し計算の結果、過払い金が発生する場合に、その返還を請求できない場合などの不利益があることもあります。

Q

どの程度の費用がかかりますか。

A

調停にかかる費用のほかに弁護士費用がかかりますので、任意整理よりもおトクでないといわれています。

破産・免責手続き

  • 自己破産・免責手続きについて

一般的な質問

Q

破産・免責とは。

A

破産手続きは、破産手続き開始決定の時点で、債務者が有する資産(プラスの財産)を、生活必需品など、差押が禁止されている財産を除いて、回収、現金化し、その一方で借金などの負債(マイナスの財産)を調査、確定して、その額に応じて、原則、按分して配当するという、清算を目的とした裁判手続きです。

債務者の有するすべての財産(差押禁止部分は除く)を投げ出しても、負債のすべてを返済できない場合や、全ての債権者に対して約束どおりに返済することができない場合に、一部の債権者だけが、強引に返済をせまり、返済を受けることを認めると、いわゆる「早い者勝ち」となってしまい、債務者の生活環境崩壊を招くだけでなく、債権者間の公平・平等が維持できず、無秩序を招いてしまいます。反対に、債務者が、親族など一部の親しい債権者に対してだけ返済したり、資産を隠したり、勝手に処分することなどを認めると、「不公平」「不誠実」が横行してしまいます。そこで、裁判所の監督のもと、抵当権などの破産手続きに拘束されずに行使できる債権以外について債権者には「抜け駆け的な」回収を禁止する一方で、債務者の財産を自由に処分する権利を、裁判所が選ぶ破産管財人(端的には、他の事務所の弁護士です。)に移します。そして、破産管財人は、裁判所と連絡をとりあいながら、公平かつ迅速に破産手続き行い、債権者間の平等の確保、秩序の維持を目指します。破産手続きのこの様な性格から、破産手続きは、「全ての債権者のための強制執行手続き」としての性格をもっているものと言えるでしょう。(このことを裏返せば、破産するのを分かっていて、身内など一部の債権者だけに便宜をはかって返済することや、破産手続き中に、一部の債権者だけが、例え、給料の差押などの裁判上の手続きを経たとしても「抜け駆け的に」債権の回収をすることは禁止されるのです。)

免責手続きは、破産手続き後に行われる手続きです。破産手続きで配当を行ったけれども、なお、残っている負債の返済についての破産責任を免れされて良いかを判断する裁判手続きです。

返済の責任を免除することによって、破産者の生活の建て直しを図り、ひいては、負債を原因とした銀行強盗や自殺、一家離散などの社会的な問題を抑止することを目的とした制度と言われています。

なお、いわゆる「消費者破産」では、破産手続きよりも、むしろ、免責手続きに重点が置かれています。(免責を受けるには、「破産者」でなくてはならないので、免責を受けるための「手段」として破産手続きが利用されています。)

Q

破産・免責と任意整理との違いは何ですか。

A

破産・免責と任意整理の違いは、以下のように整理されます。

 

概要

関与者

債権者の協力

コスト

任意整理

債権者・債務者(代理人として弁護士)間での相対交渉による、借金の減額・分割返済手続き

債務者(代理人としての弁護士)、債権者

必要

弁護士費用、その他実費のみ

破産・免責

強制的かつ定型的な借金整理手続き

債務者、債権者、裁判所、(代理人としての弁護士)

原則不要

弁護士費用+裁判所への予納金+その他実費

【任意整理のメリット・デメリット】

  • (メリット1)
    任意整理は、私的な(裁判外の)手続きである為、裁判費用や裁判に要する時間の削減が可能
  • (メリット2)
    債権者や債務者、状況など、事案の特性にあった柔軟な処理が可能(例えば、消費者金融からの借金だけ整理して、親族や住宅ローンに対する返済は続けるということも可能)
  • (デメリット1)
    借金は、業者らとの交渉により減額されます(一部減額にならない場合があります)が、通常の場合、その減額した金額を3年程度の分割で返済することになる為、破産免責手続きに比べて、借金問題の解決までに相当の時間と資金が必要になる事
  • (デメリット2)
    あくまで「私的な」借金整理方法の為、実際にその返済計画が守られるかが、債務者の誠実さにかかっており、反面、強引な債権者がいる場合には、約束どおりの返済が難しくなることがあが、一般に、こうした事態を収める手段がない事
  • (デメリット3)
    混乱に乗じて不当な利益を得ようとするもの(例えば整理屋など)を排除する手立てがない事
  • (デメリット4)
    処理が定型的でない為、かえって裁判手続きより時間や費用がかかる場合がある事

Q

破産をするとすべて失ってしまうのですか。

A

破産した場合でも、日常生活に必要な家財道具などの他、法律で定められた一定の財産は、換価や配当の対象とはならず、手元に残ります。これを自由財産といい、債務者の経済的な再起のために破産法が認めたものです。また、破産手続き開始決定後の給料など、開始決定後に得た財産(新得財産といいます。)についても、原則として、処分の対象にはなりません。

ただし、所有不動産については、破産手続きの他、抵当権などの担保権の実行によっても、処分・換価される場合がありますし、ローンが残っている場合やクレジットで買い物をした物品等は、債権者に返還しなくてはならなくなる場合があります。

なお、法人の場合は、破産は解散事由となっており(会社法471条)、法人格自体が消滅するために、破産手続き後の再起を考える必要がなく、従って、個人の場合には換価されない電話加入権等であっても、原則的に、すべて処分換価されます。

Q

現在賃貸アパートに住んでいます。破産をすると追い出されてしまいますか。

A

旧破産法時代には、賃貸人が、あなたに対して破産宣告があったことを知った場合には、賃貸人は正当事由がなくとも賃貸借契約の解約申し入れをすることができる、とされていました(民法621条)。

しかし、家賃滞納が無いにもかかわらず、単に破産しただけで、賃貸借契約が解約されるというのは行き過ぎだとの批判が強かったため、破産法改正にあわせて、民法621条は削除されました。

また、家賃の滞納がなければ、賃貸人は、破産債権者にはあたらないため、破産の事実は賃貸人に通知されることはなく、また破産申立後であっても、金額や支払方法などの事情次第では家賃を支払うことは可能ですので、賃貸人に破産の事実を知られることなく破産手続きを進めることができます。

Q

破産した場合、家族や会社に知られてしまいますか。

A

一般に、破産した事実を、他人に知られることはありません。しかし、以下の場合などには、破産の事実を知られることがあり得ます。

  • 破産手続き開始の決定などについての官報公示を見た場合
  • 生命保険募集人など一定の職業につく際に、市役所が発行する身分証明書を提出する場合
  • 裁判所からの通知(申立の代理人弁護士がいれば、通常、破産に関する通知は、一旦、弁護士事務所に送られる為、直接、送達されることはありません。)
  • 破産手続き後に、親族などが融資をうける際の保証人になる等、金融機関の審査を受ける場合
  • 破産申立をすることを知った債権者が、訴訟を起こしたり、給与債権差押の手続きをとった場合
  • すでに給料の差押をされている場合で、破産手続きを行い、給料の差押が取り消される場合
  • 労働金庫など、勤務先を通じて、金融機関から借り入れをしている場合や、会社や家族からの借入がある場合
  • 会社や家族が、借入金の保証人になっている場合
  • 資産や借金の調査にあたって第三者にその内容を問い合わせる場合

破産手続き自体は、秘密に進めることができなくはありませんが、破産免責手続き後の生活の再建には、親族や勤務先の理解や支援が必要なことが多く、また、裁判所への書類提出についても協力を得られれば、手続きがスムーズに進むこともあります。その為、出来る限り事情を明らかにして、協力を得られる体制を作るのが、得策と言えるでしょう。

Q

破産を理由に解雇されることはありますか。

A

法律上は、「破産したこと」自体を理由に、雇い主が、従業員を解雇することはできません。但し、勤務先からの借入れや未払い金がありながら、破産した場合、「勤務先に金銭的に損害を与えた」ことになり、これが原因で解雇される可能性はあります。

Q

破産すると職業上の資格制限を受けるそうですが、それは一生続くのですか。

A

職業(資格)制限のうち、主なものは下表のとおりです。職業(資格)制限がかかるのは、免責許可決定の確定など、破産法に定められた一定の事由を満たすまでの間だけです。

公法上の資格制限

民法上の資格制限

商法上の資格制限

弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、公証人、司法書士、社会保険労務士、不動産鑑定士、人事院人事官、検察審査員、土地家屋調査士、宅地建物取引業者、公正取引委員会の委員長および委員、商品取引所会員・役員、住宅金融公庫役員、証券取引外務員、生命保健募集員および損害保険代理店、警備業者および警備員、有価証券投資顧問業者、国家公安委員会委員、質屋、風俗営業者および風俗営業所の管理者、教育委員会委員、日本中央競馬会の役員

後見人、成年後見監督人、保佐人、遺言執行者

株式会社、有限会社の取締役・監査役については退任事由、合名会社よい合資会社の社員については退社事由

Q

かつて破産し、免責を受けたことがあります。また破産・免責か民事再生手続きを利用することはできるのでしょうか。

A

過去に受けた免責許可の決定が確定した日から、7年以内(法改正前は10年)に免責許可の申立をすることは、破産法に定められた免責不許可事由に該当する為、原則として、免責を受けることはできません。但し、この場合でも、破綻に至った事情に相当の事情がある場合には、裁判所の裁量によって、例外的に再度の免責を受けることが出来る場合があると考えられています。

  • 自己破産・免責手続きについて

破産・免責申立から、免責の決定まで

Q

破産手続きはどのように進むのですか。

A

破産手続き(日常用語でいう破産手続き)による債務の整理は、(1)破産手続き開始決定を受けて、破産管財人により資産の清算をする手続き(法律でいう破産手続き)と、(2)裁判所による審査を受けて、免責決定を受ける段階(免責手続き)との2本立ての制度となります。

(2)の手続きでは、裁判所の選任する破産管財人が、破産手続き開始決定の時に、破産者が有するべき資産(プラスの財産)を回収して金銭に換え、債権者への配当のための財産の集まり(破産財団といいます。)を形成します。

それと並行して、負債(マイナスの財産)を調査し、配当をするべき債権者と金額とを確定する作業を行います。これらの手続きを経て、配当手続きをし、配当が終了すると、破産手続きは終了します。これを「管財手続き」と言い、破産手続きの本来的な姿です。(なお、破産管財人による調査の結果、換価するべき資産がないと判明した場合には、配当ができず、それ以上、破産手続きをすすめる必要がないため、この場合にも、破産手続きは終了します。これを「異時廃止」と言います。)

(2)の手続きでは、(1)での配当を受けてもなお残っている負債について、返済をしなければならないという破産者の責任を免除する(免責する)ための審査をします。

破産法に定められている期間内に、免責許可の申立をします。なお、改正破産法では、特に反対の意思表示をしない場合には、破産手続き開始の申立と同時に免責許可の申立があったものとされます。

免責許可の申立があると、裁判所は、免責不許可事由や裁量免責事由の有無を審査するため、破産者を面接したり(これを免責審尋と言います。)、破産管財人や裁判所書記官に、その調査を命じます。また、免責に対する意見を申述する期間を定めて、これを債権者に通知して、意見を聞きます。こうして得られた情報を総合的に検討して、免責許可あるいは免責不許可の裁判をします。

つまり、破産手続きを経た段階では、まだ負債の返済をする責任は残っており、免責許可の決定の確定を受けて、初めて、負債の返済をしなくても良くなるのです。

Q

破産申立時にどのような書類を提出するのですか。

A

以下の書類と資料を用意します。(事案により、増減することがあります。)

書類

破産免責申立書

債権者一覧表

資産目録

陳述書・報告書

家計全体の状況

資料

住民票

解約返戻金明細

戸籍謄本

車検証【自動車】または登録証【バイク】
時価査定書

預金通帳

過去の取得、処分資産に関する資料

給与明細書

賃貸借契約書
ない場合は、重要事項説明書【賃借】

源泉徴収票

登記簿謄本(土地・建物)
時価査定書(2社分)【所有】

課税証明書または非課税証明書

固定資産税評価証明書【所有】

退職金に関する資料

住宅ローン会社との金銭消費貸借
(抵当権設定)契約証書【所有】

貸付金・売掛金に関する資料

病気の診断書

申立人名義で加入する保険の証券

その他

Q

配当できるようなめぼしい資産がありません。この場合にはどうなりますか。

A

こちらにもある様に、管財手続きが、破産法が原則としている手続きです。

ところが、管財手続きそのものにも金銭(これを予納金と言います。個人で50万円以上、法人で70万円以上。少額管財の場合には20万円以上)が必要ですが、破産財団から、その費用すら捻出できないときは、管財手続き自体をすることが困難である為、裁判所は、破産手続き開始の決定と同時に、破産手続きを廃止する裁判をします(破産法216条)。これを「同時廃止」と言います。破産法では、「同時廃止」は例外的な処理と想定されていますが、近年では、多くの個人破産手続きが、この同時廃止によって処理されています。また、破産管財人による調査の結果、換価するべき資産がないと判明した場合には、配当ができず、それ以上、破産手続きをすすめる必要がないため、この場合にも、破産手続きは終了します。これを「異時廃止」と言います。

なお、同時廃止の場合には、管財人が選任されない為、予納金も不要であり(但し、官報公告費用は必要)、東京地方裁判所では、申立の日から3日以内に、申立代理人弁護士が、裁判所と面接をして破産手続き開始の決定を出す、という「即日面接」という制度があり、短期に処理が進みます。(「即日面接」自体は、管財手続きの場合にも行われます。)

Q

同時廃止を受ける場合の注意点はありますか。

A

破産法は、破産手続き中の債権者の個別的な強制執行を禁止しています(破産法100条)。つまり、破産管財人が選任されて破産手続きをしている間、債権者は、個別に給料や動産の差押をすることはできず、破産手続き開始決定の時点で、既に差押を受けている場合には、差押が解除されます(破産法42条)。旧破産法時代には、同時廃止の場合には、この差押禁止の効力がない為、破産申立をしてもなお、免責許可決定の確定までの間(およそ4ヶ月から半年間)に、給料等の差押をうける危険にさらされていました。しかし、改正法では、同時廃止の場合でも、新たな差押は出来ないことになりました。

但し、破産手続き開始決定の段階で、すでに差押が為されている場合で、同時廃止の決定があったときは、強制執行は、中止されるだけで、免責許可の決定が確定して、はじめてその効力がなくなります(破産法249条)。この為、実際には、免責許可決定の確定になるまでの数ヶ月間は、給料から、差押分は控除され続け、免責許可決定が確定するまでは、支払われません。

Q

資産があまりないけれど、給与など差押を受ける危険のある資産・債権がある場合にはどうすればよいでしょうか。

A

破産免責手続きを行った場合には、給料債権や動産等の差押の含めて、特定の債権者だけが抜け駆け的に自分の債権の回収を行うことは、法律により禁止されます。(但し、抵当権等の実行など、破産法が例外的に回収を認めた部分は禁止されません。)

この効果は、破産申立をした後に出される破産手続き開始決定の時からしか生じませんので、借金の返済が難しいと感じたときには、できるだけ早く弁護士に相談する等して、一刻も早く申立を行い手続きを進めることが重要になります。

Q

破産手続きにかかる費用はどのくらいですか。

A

破産申立を弁護士に依頼する場合、弁護士費用と破産申立費用のほか、予納金等の実費がかかります。弁護士費用は、一般の法律事務所で、同時廃止の場合、着手金で20万円から30万円、免責許可の決定を受けた場合、成功報酬としてさらに20万円から30万円が請求されます。また、管財手続きの場合には、さらに弁護士費用が追加されるのが、一般的です。

破産申立にかかる費用としては、官報公告費用、郵券類、予納金が主なものになります。同時廃止の場合には、概ね2万円から5万円程度です。管財事件の場合の予納金額は、個人の場合には50万円以上、法人の場合には70万円以上が、最低でも必要になり、その額は、借金の額や事案の難易度、管財手続きにかかる手間などに応じて変動します。

なお、東京地方裁判所など一部裁判所では、予納金の額を低額におさえた少額管財という制度があり、この場合の標準的な予納金は、20万円になります。

その他、予納金や郵券類の金額は、裁判所・債権者数・借金の額などの個別的な事情により異なる場合があるので、申立の前に事前に調査するのが良いでしょう。また、申立後は、裁判所からの納付指示に従って納付することになります。

Q

裁判所へはどのくらい出かける必要がありますか。

A

(1)東京地方裁判所本庁他、一部裁判所と、(2)その他の裁判所とで、異なります。(1)の場合、破産の原因の有無についての裁判所の面接(破産審尋)は、弁護士のみが出頭します。一方、(2)の場合で、裁判所に提出した申立書類の審査だけで破産手続開始決定が出た場合には、出頭の必要はありませんが、破産審尋を実施する場合には、出頭が必要になります。

また、上記(1)、(2)のいずれの場合でも、免責許否の判断についての裁判所の面接(免責審尋)については、免責審尋を行う裁判所では、出頭が必要になります。なお、旧破産法上は、破産者が、必ず出頭することになっていましたが、法改正に伴い、免責許否の判断は、「相当の方法」によって行うことになった為、必ずしも免責審尋を行う必要がなくなりました。但し、東京地方裁判所では、法改正後でも、免責審尋期日を行う予定ですので、出頭が必要になるほか、その他の裁判所でも、東京地方裁判所と同様の運用が行われる可能性があります。

この他、管財手続きの場合には、事情聴取の為、管財人事務所への出頭を要求されることがあります。

Q

破産するとどのような効果が発生するのですか。

A

破産手続き開始決定によって、開始決定を受けた債務者は、破産者となります。破産者は、財産の換価配当(清算)手続きが済むまでは財産の管理処分権を失います。さらに、一定の資格制限を受けます(こちらを参照)。これらの制限は破産手続き終了後、免責許可決定の確定など、破産法が定める一定の条件を満たすまでの期間を続きます。

また、改正破産法は、破産者について、下記のような義務や制限事項を定めましたので、その義務を負い、または、制限を受けます。(同時廃止の場合には開始決定と同時に手続きが終了するため、この制限はありません)

  • 居住に関する制限(裁判所の許可や破産管財人の同意がないと、旅行や転居が出来ません。)
  • 郵便物の受取制限(郵便物が破産管財人に転送され、内容を調査されます。)
  • 破産に関する事情の説明義務
  • 重要財産開示義務
  • 免責についての調査への協力義務

Q

親や友人からの借金についてもサラ金からの借金と同様に、破産や免責の対象としなければならないのですか。

A

借金をしている親や友人についても債権者一覧表に記載し、裁判所に報告する必要があります。

仮に、意図的に債権者一覧表への不記載を行った場合には、その債権者に対する借金が免責の対象にならないばかりか、「虚偽の債権者名簿の提出」となり、免責許否の判断に深刻な影響を及ぼすことがあります。

Q

借り入れを受けている銀行の口座を給与振込みにつかっているのですが、不都合はありますか。

A

借入れのある金融機関に預金や出資金がある場合、その金融機関は、破産申立をする場合であっても、一定の期間内であれば、貸付債権(=借金)と預金や出資金の払戻請求権とを相殺することができます。(ただし、これは破産手続き開始決定時における借金と預金についてだけ当てはまり、例えば、破産手続き開始決定後の借金と破産手続き開始決定前の預金払戻請求権との相殺はできないことになっています。)

この他、通常、借入のある金融機関で開設している預金口座は取引停止となってしまい、預金の払戻を受けることができなくなることがある為、給与振込みや公共料金の料金引き落とし等に使用している口座は、変更する必要があります。

Q

友人に対する借金については、付き合いもあるので優先的に返したいのですが、認められますか。

A

認められません。破産手続きの趣旨の一つとして、「全ての債権者に対する返済ができない状態での、一部債権者による抜け駆け的な回収や返済の禁止などの秩序維持(債権者平等の原則)」がある為です。

これに反して、返済をした場合には、免責許否の判断に深刻な影響を与える可能性があるほか、一定の要件の下で、優先的な返済が問題視され、その行為を否認(取消)される可能性があります。

  • 自己破産・免責手続きについて

破産開始決定から免責まで

Q

破産すれば免責になるのですか(破産手続き開始決定の効果)。

A

破産手続き開始決定の主な効果は、破産者の財産管理処分権を、破産管財人に移すことにあります。借金を返済すべき責任を免れる為には、一定期間内(こちらを参照)に免責許可の申立を行い、免責手続きで、免責許可決定を受け、これが確定する必要があります。

Q

免責はどのように受けるのですか。

A

裁判所は、免責許可の申立があると、破産管財人や裁判所書記官に命じたり、あるいは、自ら、免責不許可事由が無いか、あるいは、免責不許可事由はあるけれども、破産したのがやむを得ない事情によるものであったり、手続きに真摯に対応したこと等の事情(裁量免責事由といいます。)の有無を調査し、これらの事情を検討して、免責許否の裁判を行います。

Q

免責の効果はどのようなものですか。

A

免責を得た破産者は、破産手続きで行われる配当と免責にならない一部の債務(非免責債権といいます。こちらを参照)を除いて、破産債権者に対する破産債権の全部について、返済する責任を免れます。この意味としては、債務自体が消滅するという考え方と、債務自体は残って、ただ、その返済を、法律上強制することができなくなるという考え方がありますが、いずれにせよ、債権者は、強制執行等、裁判を通じた手段により、その債権を回収することができなくなります。

なお、破産者が免責許可の決定を受けても、保証人や連帯債務者、物上保証人の責任は免除にはなりません。

Q

免責によっても支払の責任を免れない債務はありますか。

A

非免責債権(免責許可決定によっても免責されない債権)には以下のようなものがあります(破産法253条)。

  • 租税等の請求権
  • 破産者が悪意をもって加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 婚姻費用の分担義務、養育費等の扶養に関する請求権とそれに類似する義務であって契約に基づくもの
  • 破産者が故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権、預り金
  • 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
  • 罰金等の請求権

Q

免責が受けられない場合はあるのですか。

A

裁判所は、以下のどの事由にも該当しない場合、免責許可の決定をします(破産法252条)。従って、以下の事由に該当する場合には、免責が受けられない場合があります。しかし、その場合であっても、破産法上、裁判所は、破産手続き開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することができる(破産法252条2項)、とありますので、裁判所の裁量で免責決定がなされることもあります。

  • 債権者を害する目的で、財産を隠したり、廉価に売却したり、資産の価値を減少させた場合
  • 購入直後に、チケットショップやリサイクルショップ、インターネットオークション等で換金するのを目的として、クレジットカードで回数券、パソコン等の家電製品等を、購入した場合(換金行為)
  • 特定の債権者を有利に扱う目的、または、他の債権者を害する目的で、債務者自身の義務ではない債務の返済(例えば、夫の返済の肩代わりをするなど)を行ったりした場合
  • 浪費やギャンブルなどによって過大な借金を負ったり、著しく財産を減少させた場合
  • 破産手続き開始決定の申立をした日の1年前の日から、手続き開始決定の日までに、破産手続き開始の原因があるにもかかわらず、それがないと信じさせる為、債権者を騙して借金をした場合
  • 虚偽の債権者名簿を提出した場合
  • 破産法に定められた破産者の義務に違反した場合
  • 以前に、破産手続きや民事再生手続きを行ったことがあり、下記の事情に該当し、それぞれに決められた日から7年経っていないこと

(1)免責許可の決定の確定を受けた場合

→免責許可決定の確定した日

(2)民事再生(給与所得者等再生)における再生計画が遂行された場合

→再生計画認可決定の確定日

(3)民事再生手続きにおけるハードシップ免責決定が確定したこと

→再生計画認可の決定の確定日

なお、破産者に著しい免責不許可事由があると認められる場合(例:生年月日を偽ったり、無職にもかかわらず、年収600万円と申告して借入をした場合や換金行為を複数回繰り返している場合)に、少額管財手続きが利用されることがあります。

これは、裁判所の選任する破産管財人に、中立的な立場から、免責不許可事由の有無や、その行為に至った事情、破産手続きへの取り組み状況を調査させ、金銭に換えて「情報を配当する」ことで、免責を得られるようにするものです。(免責調査型の少額管財と呼ばれるものです。)

Q

免責審尋はどのように行われるのですか。

A

免責許可の申立があると、裁判所は、破産者を免責するかどうかについて調査をします。改正破産法では、破産管財人に免責不許可事由の有無や、その行為に至った事情、破産手続きへの取り組み状況を調査させて、書面で報告させたり、裁判所の指定した期日(免責審尋期日といいます)に、破産者を裁判所に呼び出して事情を聞くなど、裁判所が相当と認める手段で調査を行うことになっており、必ずしも裁判所に出頭する必要はありません。但し、東京地方裁判所をはじめ、多くの裁判所では、、免責審尋期日を開催するしており、同時廃止の場合には、破産手続き開始の決定の日から1〜2ヶ月後程度で、期日が開かています。

Q

免責決定を得るとどうなるのですか。

A

免責許可決定を受け、これが確定すると、破産手続き開始決定の時に負っていた借金の全額について、「責任を免」れます。(配当がある場合には、破産手続き開始決定時に負っていた借金のうち、配当後も残っている借金の全額)

但し、公租公課(税金)や罰金、反則金等、一部の債務については、引き続き返済義務が残ります。(こちらを参照)

  • 自己破産・免責手続きについて

破産・免責後の生活

Q

免責は何回でもできますか。

A

過去に受けた免責許可の決定が確定した日から、7年以内(法改正前は10年)に免責許可の申立をすることは、破産法に定められた免責不許可事由に該当する為、原則として、免責を受けることはできません。但し、この場合でも、破綻に至った事情にやむを得ない事情がある場合には、裁判所の裁量によって、例外的に再度の免責を受けることが出来る場合があると考えられています。

Q

破産・免責後に借金はできますか。

A

免責決定後であれば、可能です。

但し、弁護士に借金の整理を依頼したことや、破産手続きをとったことなどが、金融機関が融資の審査などの際に用いる信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)として5年から7年の間記載される(いわゆるブラックリストに記載される)為、融資を断られる場合があります。

また、破産免責手続きをとる目的の一つは、「借金を整理して、生活を再建すること」にあるのですから、借金に依存しない生活を送る様、生活を改善する努力をすることが肝要です。

  • 自己破産・免責手続きについて

個人再生手続き(民事再生法の特則)

  • 個人再生手続きについて

一般的な質問

Q

個人再生手続きとはなんですか。

A

民事再生法の小規模個人債務者向け特則として定められたものです。民事再生法は、経済的苦境に陥った債務者が、返済計画にしたがって将来得られる収入を債務返済に充てることとし、返済不可能な債務を免除してもらうことによって、債務者の経済的破綻を回避して自助努力で再生する手続きを定めたものです。この手続きを個人債務者にも利用しやすく簡素化した手続きが、個人債務者再生手続きです。

Q

民事再生法は企業だけが利用できるのではないのですか。

A

民事再生法は法人だけでなく個人も利用可能です。ただし、通常の手続きは個人が利用するには煩雑で費用も高いので、より簡素化した個人用再生手続きが平成12年に制定されました。

Q

個人再生手続きと破産との違いは。

A

破産手続きは、破産宣告を受けた時点での債務者の資産をすべて換価し、債権者に按分配当するという「清算型手続き」です。これに対して、個人再生手続きを含む民事再生手続きは、個人の将来収入や企業の事業継続によって見込まれる収益を債権者への返済に充てる「再建型手続き」です。

 

個人再生手続き

破産免責

対象

住宅ローン等を除く借金総額が5,000万円以下で、
将来継続的に収入が見込める人

すべての人

予納金

15万円程度

同時廃止の場合:3〜5万円
管財事件の場合:数十万円

資格喪失等

なし

あり

資産の換価

必要なし

管財手続きの場合:あり
同時廃止の場合:なし
(そもそも換価すべき財産がない)

Q

個人再生手続きと任意整理との違いは。

A

以下のような違いがあります。

 

任意整理

個人再生手続き

概要

債権者・債務者(代理人として弁護士)間での相対交渉

強制的かつ定型的な借金整理手続き

関与者

債務者(代理人としての弁護士)、債権者

債務者(代理人としての弁護士)、債権者、裁判所

債権者の協力

必要

同意が必要
(小規模個人再生の場合のみ)

コスト

弁護士費用のみ

弁護士費用+裁判所への予納金

Q

個人再生手続きを利用することによって何らかの社会的不利益はありますか。

A

破産の場合のような資格制限はありません。また官報に手続き開始決定の公告がなされますが一般の人がこれをみることはあまりありません。ただし、ブラックリストに載りますので、クレジットカードやサラ金を利用できなくなる可能性が高くなります。

Q

個人再生手続きはどのような人が利用可能か。−小規模個人再生と給与所得者等再生−

A

小規模個人再生手続きは、比較的小規模の債務について、将来の収入をその返済原資に充てる手続きですので、以下のような申立要件を満たす必要があります(民事再生法221条1項)。

  • 将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり、
  • 再生債権の総額が5000万円を超えないこと。さらに、サラリーマンのように収入の変動が小さい方については、「給与所得者等再生手続き」が利用できます(民事再生法239条1項)。

Q

個人再生手続きを利用できない場合はありますか。

A

「再生手続き開始要件」と「再生計画認可要件」をそれぞれクリアする必要があります。

  • 再生手続き開始要件・・・将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあること。
  • 住宅ローン等担保権の実行によって弁済される見込みのある債務を除く債務の総額が5000万円を超えないこと(民事再生法221条1項)。
  • 再生計画認可要件・・・再生計画による弁済金額が、破産となったときの配当金額を上回ること、下記金額以上であること(231条)。

Q

手続きはどのように進められるのですか。

A

個人再生手続きは以下のような手順で進められます。

  • 個人再生の申立
  • 裁判所の再生手続き開始決定(→開始決定の公告)
  • 債権額の確定手続き
  • 再生計画の作成・裁判所への提出
  • 書面決議(小規模個人再生の場合のみ)、債権者からのヒアリング(給与所得者等再生の場合)
  • 再生計画案の認可
  • 個人再生手続きについて

個人再生申立

Q

個人再生申立時にどのような書類を提出するのですか。

A

以下の書類等を用意します。(事案により、増減することがあります。)

書類

申立書

債権者一覧表

収入一覧表

主要財産一覧表

添付書類

住民票 戸籍謄本

源泉徴収票(サラリーマン等の場合)

確定申告書(事業者等の場合)


Q

主要財産一覧表の提出が求められていますが、これらの財産はいずれ処分せざるを得ないのですか。

A

主要財産一覧表は、仮に破産手続きをとった場合にどれだけ配当が可能かを計算するために使うものです。再生計画の認可要件として、再生計画に基づく返済総額が破産となったときの配当総額を上回らなければならないからです。

Q

債権者一覧表に記載する債務の額が不明なのですが、どうしたらよいでしょうか。

A

債権者一覧表には概算額を記載の上、将来異議を述べることがある旨を記載してください。これによって、再生手続き開始決定後に債権調査をして、記載額を下回ることがわかった段階で、裁判所に対して異議を述べることができます。

  • 個人再生手続きについて

再生手続き開始決定後〜再生計画認可

Q

裁判所から開始決定が出ました。再生手続きが開始されることになるのですが、日常生活に何か制限がかかることはあるのですか。

A

破産手続き開始(管財事件)の場合と異なり財産管理は原則として自由に行えます(民事再生法38条)。財産処分や新たな借入を行う際には裁判所の許可を得なければならないとされることがあります(同41条)が、そのようなケースは少ないようです。

Q

再生手続き開始決定によって債権者はどのような制約を受けますか。

A

再生手続きが開始された場合には、債権者は再生手続き以外での債務の弁済をうけることが禁止されます。また強制執行や仮差押も行うことが禁止されます。さらに再生手続き開始決定後は、すでに効力が生じている強制執行の手続きも効力は中止となります(民事再生法39条1項)。※実際の強制執行手続きを止める方法については弁護士に相談してください。

Q

再生手続きでは主に何が行われるのですか。

A

再生手続き開始決定後は、主に債権額の確定と、再生計画の作成が行われます。

Q

再生計画とは何ですか。

A

再生計画とは、確定した債権総額のうち、再生債務者がどれだけ返済していけるか、またそのスケジュールをどうするかを決めるものです。

Q

再生計画案における弁済総額はどのように決められるのですか。

A

小規模個人再生手続きと給与所得者等再生手続きとで異なります。

小規模個人再生手続き

給与所得者等再生手続き

・100万円以上〜債権総額の10%(上限500万円)

または

・債務総額が100万円未満の場合、債務総額

または

・清算価値の多い方

・可処分所得(※)の2年分

または

・清算価値

または

・最低弁済額(左記)の多い方

※可処分所得とは、年収から所得税、住民税、会社保険料等の法的控除を差し引いたものから、さらに最低生活費(生活保護基準を参考にして、政令によって定められている金額)を引いた額です。

この可処分所得の2年分が基準金額になります。
「可処分所得」=年収 - 所得税 - 住民税 - 社会保険料 - 最低生活費

Q

再生計画に対して債権者の同意をとる必要がありますか。

A

小規模個人再生手続きの場合、再生計画に対する債権者の決議が必要になります。この場合、反対票が総債権者数の2分の1未満で、かつ総債権額の2分の1未満の場合に再生計画案が承認されたことになります。過半数の債権者+大口債権者からの同意が必要ということです。この決議と要件チェックを経て裁判所は計画認可をします。給与所得者等再生手続きの場合にはこうした債権者の同意は不要です。裁判所は再生計画案が最低弁済額等の要件を満たしており、かつきちんと履行される見込みがあれば計画案を認可します。

  • 個人再生手続きについて

再生認可手続き終了後

Q

再生計画が認可されれば一切の借金から解放されるのですか。

A

いいえ、再生計画に従って原則3年間きちんと返済をつづけなければなりません。計画終了後に晴れて借金から解放されることになります。

Q

認可された再生計画を遂行している限り、連帯保証人や物上保証人に対する債権者からの追及はないのですか。

A

残念ながら、あります。連帯保証人や物上保証人は再生計画にかかわらず、再生計画を申し立てない場合の借金の保証債務を負っています。連帯保証人や物上保証人も経済的な事情を考慮して、債務整理を検討した方がよいかもしれません。

Q

再生計画認可後に計画遂行が困難になってしまいました。どうすればよいでしょうか。

A

このような場合に一定の救済措置が用意されています。

  • 弁済期限の延長:「やむをえない事由(想定していた収入が病気・事故・失業などにより予想外に激減した場合など)で再生計画を遂行することが著しく困難になったとき」には原則3年となっている最終弁済期限を最長2年延長するよう裁判所に申し立てることができます。
  • 残債務の免責(ハードシップ条項):以下の要件をすべて満たすようなきわめて特別な場合に限り残債務が免責されます。
  • 債務者が自分の責任ではない事由により再生計画を遂行することが極めて困難になったこと、
  • 再生計画の最終弁済期限を延長することも困難であること
  • 再生計画に定められた返済額の4分の3の弁済を終えていること
  • 再生計画認可決定時における破産配当総額以上の弁済を終えていること

Q

再生計画に基づいて借金を返済し終えましたが、その後、また借金を増やしてしまいました。また個人再生手続きを利用することはできるのでしょうか。

A

過去7年以内に破産免責決定を得たり民事再生法の再生計画を履行(またはハードシップ条項により免責)したりしている場合には、給与所得者等再生手続きを利用することはできません。小規模個人再生手続きを利用することになります。

  • 個人再生手続きについて

住宅貸付(ローン)債権がある場合

Q

住宅ローンについても借金棒引きしてくれるのですか。

A

いいえ。民事再生法の住宅資金貸付債権特別条項では、元本減額は認めていません。返済条件の緩和のみです。→こちらへ

Q

住宅ローンの負担が重いのですが、どうすればよいでしょうか。

A

民事再生法は、住宅ローンについて特別扱いをしています。すなわち、再生計画において住宅ローンの弁済方法について、以下のような特別条項を定めることができ、この条項を守っている限り、住宅が競売にかけられることがない、というものです。

  • 従前の契約では住宅ローンの支払いが滞り、期限の利益が喪失する場合であっても、住宅ローンの残額を一括して支払う必要はなく、当初の約定通り支払うことができるとする条項
  • 住宅ローンの弁済期間の延長を内容とする特別条項(最長10年)
  • 再生計画期間中の住宅ローンの元本支払いを先送りする内容の特別条項

Q

再生計画において住宅ローン特別条項を定めることができる場合の「住宅」の定義は。

A

再生計画において住宅ローン特別条項を定めることができる場合の「住宅」とは、以下の条件を満たす必要があります。

  • 個人である再生債務者本人の所有であること
  • 再生債務者本人がその住宅を生活の本拠として使用していること
  • 床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 住宅は一つに限定される
  • 「住宅」の建設もしくは購入に必要な資金、または「住宅」の改良に必要な資金(増築等)の貸付によって生じた債権であること
  • 分割払いの定めがあること
  • 抵当権が「住宅」に設定されていること、かつ、その債権または保証会社の求償権を担保するために設定されていること

Q

住宅兼事務所としてつかっているマンションを購入する際に住宅ローンを組んだのですが、これについても適用があるのですか。

A

床面積の2分の1以上が居住用であれば利用可能です。

Q

住宅ローンの定義にあたって、特別条項を定めることの弊害になる場合はありますか。

A

はい。以下の場合には住宅ローン特別条項を定めることの弊害となります。

  • 当該不動産がオーバーローンにならない場合
    ※オーバーローンとは、住宅ローンの残債務の方が不動産の査定額より大きい状態のこと
  • 当該不動産の登記簿に「差押」の登記がされている場合
  • 当該不動産の登記簿に「根抵当権」の登記がされている場合
  • 当該不動産の登記簿に住宅ローン以外の抵当権もしくは仮登記が設定されている場合
    または、事前に一般債権者に対し、印鑑証明や白紙委任状を渡していたり、仮登記承諾書を交わしている場合
  • 当該不動産の登記簿に「連帯債務(夫婦/親子)」の次に連帯債務であげられている人以外の抵当権が設定されている場合。または、「同順位の別抵当」が設定されている場合
  • 自宅兼自営や二世帯住宅のケースで、自身の生活のための居住部分が床面積の半分以上であると証明できない場合
  • 住宅ローンの滞納期間が長い場合
    ※住宅ローンに対し、保証会社が代位弁済してから6ヶ月経過している場合は 特別条項を定めることができません

Q

住宅ローンについての特別条項を利用した民事再生を申し立てようと思っていますが、住宅ローン保証会社が競売手続きを開始してしまいました。止めることはできますか。

A

できます。民事再生前に競売手続きが進行していた場合には、申立と同時に競売手続き中止命令の申立を行ってください。裁判所は再生計画に認可の見込みがあれば競売手続きの中止を命じてくれます。ただし、競売手続きが開始してからの状況によってできない場合もあります。

Q

住宅ローン特別条項を定めた再生計画が認可されました。これ以降、住宅ローンの連帯保証人はローンの一括返済を求められることはありませんよね。

A

大丈夫です。住宅ローン特別条項を定めた再生計画は連帯保証人にも効力が及びます。したがって連帯保証人は債権者からローンの一括返済を求められることはありません。

Q

住宅ローン特別条項を定めた再生計画を遂行中ですが、再び返済が困難になりました。救済措置はありますか。

A

あります。

  • 最終弁済期限の延長…ただしこの場合には既存債務のカットは認められず、また最終弁済期限も当初契約から10年を越えてはならず、最終弁済期限における債務者の年齢が70歳を越えてはならないなど、厳しい条件がつきます。
  • 元本の一部返済猶予…ただし猶予期間は原則3年で、元本の一部猶予しか認められません。これでも厳しい場合には、債権者との個別交渉によりますが、最悪の場合住宅が競売にかけられることも覚悟しなければなりません。

Q

再生計画が認可されませんでした。どうなりますか。

A

再生計画案に法律違反があったり、要件不備があったり、無理があって履行の見込みがなかったりする場合には計画案は不認可となります。この不認可決定が確定すれば、破産手続きに移行することになります。

Q

再生計画を遂行することができませんでした。どうなりますか。

A

再生計画が認可されたにもかかわらず、再生計画が遂行される見込みがなくなった場合には、裁判所は、再生債務者の申立または裁判所の判断で再生手続きの廃止を決定します。そして再生債務者に破産原因となる事実(支払停止)があれば、裁判所は再生債務者の申立を待って、破産宣告をすることになります。その後破産者の免責申立を受けて免責決定をします。

  • 個人再生手続きについて

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